おためしノート
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絵は朝なのに、曲は夜だった。BGM動画の曲順を作り直した話

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2時間のBGM動画で、曲の並べ方を全部変えました。それまでは4つの曲調を順ぐりに回す、 作り手に都合のいいやり方です。変えたきっかけは、新しい技術でも誰かの助言でもありません。自分の動画を流し見していて感じた、小さな違和感でした。 何がズレていたのか、どう直したのかを書きます。

それまでは「曲調を順ぐりに回す」並べ方だった

私が作っているのは、縁側から庭を眺める2時間のBGM動画です。曲はAIで作り、 朝向き・昼向き・夕方向き・夜向きの4つにグループ分けしています。 並べ方は、朝→昼→夕方→夜→朝→昼…と順ぐりに回す方式でした。

同じ雰囲気の曲が続くと飽きる。だから散らしたほうがいい。そう考えていました。 作るのも簡単です。曲数さえそろえば、あとは機械的に並べるだけで済みます。

画面のほうは、静止画6枚を順番に切り替えています。朝の青空から始まって、昼、夕方、 茜色の空、宵の月へ。動画の中で時間が進んでいく作りです。

画面は朝の青空、鳴っているのは夜の曲

11本目を作っている途中、完成した動画を流しながら別の作業をしていました。 ふと画面に目をやると、絵は朝の青空です。ところが鳴っているのは、夜向けの静まった曲でした。

思い返すと、7本目の夏祭りの回でも同じことが起きていました。 絵はこれから祭りへ出かける場面なのに、4曲目で音が急に静かになる。 作っているときは気づきませんでした。通しで流したときにだけ見えるズレです。

BGM動画は、じっと見るものではありません。流しっぱなしにして、ときどき画面に目をやる。 その「ときどき」でちぐはぐな絵と音に出会うと、違和感だけが残ります。

絵の時間帯に、曲を合わせた

直し方は単純でした。順ぐりに回すのをやめて、絵の時間帯に曲をそろえます。

動画を6つのブロックに分けました。朝の絵のところには朝向きの曲、昼の絵には昼向きの曲、 という具合です。あいだのブロックでは、前後の曲調を交互に混ぜて橋渡しにしています。 曲調が急に切り替わると、そこで耳が引っかかるからです。

1つの曲調に4曲ないと足りなかった

新しい並べ方でやってみて、すぐに問題が出ました。曲が足りないのです。 それまでは全部で8曲、1つの曲調につき2曲でした。これを6つのブロックに割り振ると、 20分のブロックを2曲で埋めることになります。同じ曲が何度も回ってきて、繰り返しが耳につきました。

いまは1つの曲調につき4曲、合計16曲そろえるのを標準にしています。 曲を作る手間は倍になりました。それでも、聴いていて楽なのは明らかにこちらです。

過去の10本は、作り直さないと決めた

新しい並べ方のほうがいい。それは分かっています。それでも、すでに公開した10本には 手をつけないことにしました。

YouTubeでは、公開済みの動画のファイルだけを差し替えられません。作り直すなら、 いったん消して新しく上げ直すことになります。そうすると、それまでに積み上がった 再生回数も視聴時間もゼロに戻ります。直して得られる良さより、失うもののほうが大きい。 そう判断して、11本目からの新ルールという線引きにしました。

60秒の短い動画も、作り直した

新しい並べ方を決めた翌日、宣伝用の60秒動画で同じ失敗をやりました。 使ったのは、夕方の金色に染まった場面の絵です。そこに朝向けの琴の曲を乗せて、 一度は完成させていました。決めたばかりのルールと真っ向から矛盾しています。

作り直し方も変えました。曲を選び直すのではなく、本編でその絵が映っている場所に、実際に鳴っている曲をそのまま切り出す。 80分52秒あたりを調べると、流れていたのは尺八の曲でした。

この方法には、思わぬ得がありました。本編の音は、すでに音量をそろえる処理を通しています。 そこから切り出した音を測ってみると、前回作った短い動画とぴったり同じ音量でした。 音量を合わせ直す作業が、まるごと要らなくなったわけです。

ひとつだけ注意が要りました。切り出した頭の2秒が、ほぼ無音だったのです。 曲の平均より16デシベル小さい。短い動画は、出だしの数秒で見るかどうかを決められます。 音の入りが静かだと、そこで離れられてしまう。だから2秒ずらして、 きちんと鳴っているところから切り出しました。

できあがった動画

新しい並べ方で作った11本目が、こちらです。寺の縁側から枯山水を眺める2時間21分。 朝の光から宵の静けさまで、絵と曲が同じ時間を進みます。

絵の時間帯に曲を合わせた1本目(2時間21分41秒)

作り直した60秒版では、金色の夕暮れの場面に尺八が鳴ります。本編の80分52秒から切り出した音です。

作り手の都合と、聴く人の体験

順ぐりに回す並べ方は、作り手にとっては合理的でした。曲を用意して機械的に並べるだけで、 2時間が埋まります。その合理性が、そのまま違和感の正体だったわけです。

気づけたのは、自分で流し見をしていたからでした。作っている画面ではなく、 聴く人と同じ姿勢で自分の動画に触れる。それだけのことが、10本ぶんの見落としを見つけました。

長い動画で起きたほかのつまずきは2時間のBGM動画で3つつまずいた話にまとめました。曲そのものの作り方はSunoで6曲作った実録に書いています。