AIに「1.5倍の大きさで」と頼んで作った絵が、「2倍」で作った絵と1pxも違いませんでした。 指示の数字が効いていないと思い、記事にしようとしました。 調べたら、2枚は同じファイルでした。私の保存ミスです。 AIは何も悪くありませんでした。危うく誤った記事を出すところだった話を書きます。
「1pxも違わない」は、できすぎていた
私はYouTubeの動画表紙をChatGPTで作っています。月の大きさを変えた2案がほしくて、 「2倍」と「1.5倍」で1枚ずつ頼みました。できた2枚を見比べると、月の大きさも位置も同じでした。
このとき私は「数字で指示しても効かないんだな」と考えました。今思えば、ここがおかしいんです。 画像を作るAIは、同じ指示を出しても毎回わずかに違う絵を返します。 雲の形も、光の当たり方も揃うことはありません。それが1pxも違わない。 できすぎです。その違和感に、自分では気づけませんでした。
ファイルには「指紋」がある
気づけたのは、この件を記事にしようとしたときでした。 本当にそう言い切れるのかを確かめるため、2枚のファイルの「指紋」を調べました。

指紋というのは、ファイルの中身から計算される長い文字列のことです。 中身が1文字でも1点でも違えば、まったく別の文字列になります。 逆に言えば、この文字列が同じなら、2つは完全に同じファイルです。
調べた結果、2枚の指紋は完全に一致していました。似ていたのではありません。同じものでした。 別案として作ったもう1枚は、当然ながら違う指紋でした。
実際に何が起きていたか
保存された時刻を見て、経緯が分かりました。16時3分に「2倍」の絵を保存しています。 その16分後、「1.5倍」の絵を保存したつもりで、同じ画像をもう一度保存していました。
AIの画面から絵を取り出すとき、新しい絵がまだ出ていないのに、 前の絵をつかんでしまったわけです。私の手元には、はじめから1枚しかありませんでした。 比べていたのは、同じ絵とその複製でした。
危なかったのは、これを記事にしようとしたこと
あと少しで「AIに数字で指示しても効かない」という記事を出すところでした。 読んだ人が試して、ふつうに効いたらどうなるか。当サイトに書くことは、 もう信じてもらえなくなります。
止まれたのは、下書きの前に「本当にいつもそうなるのか」と疑いを向けたからでした。 1回うまくいかなかっただけの話を、いつでもそうなる話に広げていたんです。
AIを疑う前に確かめる3つ
同じ間違いを避けるために、私が決めたことが3つあります。
1つ目は、比べる2つが本当に別のものかを先に確かめること。 見た目ではなく、指紋で確かめます。特別なソフトは要りません。 WindowsでもMacでも、標準の機能で調べられます。「ファイル ハッシュ 確認」で調べ方が出てきます。
2つ目は、できすぎた結果が出たら、まず自分の手順を疑うこと。 「完全に一致」「1つも違わない」は、たいてい発見ではなく手違いです。
3つ目は、1回の結果で決めつけないこと。AIは同じ指示でも結果が揺れます。 サービスの更新で動きが変わることもあります。言えるのは 「私が試したときはこうだった」までです。
AIのせいにするのは、いちばん簡単
AIを使っていると、思ったとおりに動かないことがよくあります。 そういうとき「AIの限界だ」と片づけるのは簡単です。今回もそうしかけました。
でも実際は、自分の手順が原因でした。しかも確かめる方法は、指紋を調べるだけ。 1分もかかりませんでした。
AIの動きがおかしいと感じたら、まず手元を確かめてみてください。 私の場合は、そこに答えがありました。 ChatGPTで絵を作るときの話はこちらの記事に、有料版を使った感想はこちらの記事に書いています。